愚陀佛庵 インターネット俳句会

結果発表

過去の結果発表

特選受賞句には選者の八木健デザインの「ハイクアート」が添えられます。
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第96回の結果(平成30年6月投句)

特選(10句+俳句アート)  秀逸(10句)  入選(80句)

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 特選、秀逸、入選作品の著作権は主催者に帰属します。
    また、それらの作品は俳句番組などでご紹介させていただくことがあります。

【特選】急げども五十歩百歩かたつむり(小鞠)八木健からのコメント:持って生まれた天分というものがある。かたつむりはそれをわきまえているから、競争させようなんて酔狂なことは考えない方がよろしい。句はとりあわせだから、かたつむりのことを言っているわけではないが、それでも競争させてみたいね。

【特選】父の日や子から巣鴨の赤パンツ(龍野ひろし)八木健からのコメント:東京の巣鴨に「赤パン」専門店がある。一度のぞいたことがあるが、下着ならなんでもこいで、赤いのを売っている。父親に送ったのは「娘さん」に違いない。父親に「男性の若さ」を贈ったのである。赤は血の色でエネルギー。

【特選】吊革の凸とぶつかる薄暑かな(百草千樹)八木健からのコメント:薄暑は何かにつけて「腹立たしい暑さ」である。吊革がぶつかってくる程度のことも腹立つことだから取り合せとして巧みである。「吊革の凸」は「持ち手」のことだろうが「持ち手」とせずに凸だけで伝わるところが面白いですね。

【特選】ついさっきそこで遇うたな梅雨の蝶(司啓)八木健からのコメント:俳句は個人的な体験を描く。何かに出会ったという体験でもその時に何を感じたかを描くことで俳句になる。「ついさっきそこで出会ったような梅雨の蝶であった」蝶は、「別の蝶かも知れぬ」というクエッションマークを描いて面白い。

【特選】ところてんヌードモデルのバイト終へ(あまぶー)八木健からのコメント:絵描きか写真家かのために、モデルをして終わった時の開放感が伝わってくるね。「ご苦労さま」と世話係が「ところてん」をふるまったのであろう。これがスパゲッティーだったり梅茶漬けだったりすると合わない。言葉って不思議なものですね。

【特選】狛犬の鼻に咲きたる苔の花(藤本禮造)八木健からのコメント:狛犬は世話人がこまめに洗わない限り、苔が生えて時に全身苔色となる。苔の花が夏の季語だが、作者は狛犬の鼻に咲いていることに「面白い風景」と感じたのである。出会った珍しい風景を描けば俳句になる。情報の提供も俳句の役割である。

【特選】丸ビルの頭に虹が生えてゐる(ときこ)八木健からのコメント:俳句は見たままを描くことを基本とする。丸ビルの頭に虹が生えている。そのように見えた。生えるわけがないという人は「詩人」にはなれない。俳句は元来、非科学的なものだが、非科学的の度合いが強いほど、詩としての純度が高くなる。

【特選】香水の強き女と同席す(渡邉春生)八木健からのコメント:歴史的には、俳句は連歌の発句を独立させたもの。続けて「七七」をつけたくなる。「同席す」「それがどうした」と言わずに七七をつけてみましょう。「失礼ながらマスクをつけて」。

【特選】スポイトはすする金魚のながき糞(比々き)八木健からのコメント:俳句はいろいろなことを教えてくれるから「物知り」になるね。「小学生」の頃、同じクラスの子が金魚を飼っていて「食塩注射する」というので見せてもらったら、塩をパラパラ振りかけただけだったがその時と同じ感動がある。

【特選】緑陰や自転車も寝てをりしかな(篠﨑順子)八木健からのコメント:緑陰に人間が寝ている。自転車が横倒しになっている。それを「寝てをりしかな」と勿体をつけた表現にしたところがいい。これは擬人化の句で滑稽味が出ている。日常の身辺雑記でも、擬人化だけで滑稽になるから是非お試しを!

秀逸

冷蔵庫あけて一気に深呼吸森鼻恵実子
くちなしに近寄り嗅ぎて季語となる平田守弘
水馬の己が重さに凹む水田村利平
蕎麦の実となめこを締める夏大根大槻税悦
卓袱台に昭和の名残夏料理まこ
ひとつでもうれしや庭のイチゴかな田中亜希子
かたつむり足を踏ん張る曲り角風峰
聞き耳を立て窓際にいる蜥蜴城内幸江
Iの字もJの字もあり胡瓜生る永井かおる
君拗ねたほどのバナナの曲がりかた歌川聖一
アイシャドウ肩まで引けり雨蛙馬留場 露以

入選

髪洗ふ昔話を聞きながら藤娘なつ
トロ箱は市場狭しと初鰹千葉睦女
犬鼻を擦るごと嗅ぐ花火屑佐東亜阿介
水替えて目高と歓喜分ちけり照幸
炎昼やしのぐ老体ひからびる岡田廣江
夏の山笑顔が少し陰りたる石川順一
まばたきを忘れるほどに蛍かな斎乃雪
曲がることきらいな白さ小鯵刺雪花
土用波散らばった家族寄せてくる七瀬ゆきこ
熱帯夜いつからいつが夢なのか吟菜
納得のゆかぬ計算夏季手当富山の露玉
モンローウォークの蟻の行列たえまなく森内梅子
「要するに」要されて噛む伽羅蕗は野良古
みほとけの半眼持てる青蛙霞山旅
海の日になぜにアルプス山ガール田中 庵野
梅雨しとどこの島国の浮沈(うきしずみ)志保川有
咲き急ぎ散るも急ぎの凌霄花風間 昭彦
兄妹で人の字となる夏座敷青海也緒
山靴のごつりと干され夏木立かもん丸茶
下闇を抜け縄文の奇声かな高原山歩
蔓先の空を掴むや鉄線花鹿沼 湖
短夜の隣に眠る乳房かな雛まつり
阿羅漢のベロ出す人の世夏の始植木香厨美
耳へ来て大きな声の蚊となりぬ香壺
機械化が進み「田植女」死語となる斜木 美秋
夕立や野に散る魂をえぐり出す柴原明人
知らぬ間に蛭へ献血し給へる辻 雅宏
チカチカと生き急ぐ如ヒメ蛍中村眞喜男
羅甸(ラテン)系 血の騒ぎたる夏祭吉村よし生
みすみすと妻に敗れて苺狩澤田聖吾
やうやうに別れの覚悟遠花火雪子
をんな等はうちわに愚痴と戀ばなし文女
緑愁や道しるべ無き森の道伊藤順女
父の忌やはぐれ蛍の寄る窓辺風紋
梅雨しとど妻の故郷の訛り消ゆ渡邉竹庵
縁側で男手枕三尺寝晴好 雨独
背もたれの欄干硬し夕蛍かつたろー。
梅雨寒や懐炉腹巻セイロガン入江 澄泉
蜚蠊のむくろ古代めき地獄めき椋本望生
アイシテルは全部嘘よ螢の夜一人静
雨蛙関西弁でけろと鳴く与一まさこ
あめんぼは湖面の空を飛んでいる三枝 侑子
居残りやほうきバットに汗流す森岡滋夫
何時散るや白川夜船合歓の花月の砂漠★★
綱の決め技暫し騒めきの夏くろべぇ
一村包む老鶯の鳴きっぷり水夢
籐椅子に微睡誘うドビュッシーふじこ
お通夜の悲しみ深む白海芋三泊みなと
気づかずに蟻踏む殺傷如何ばかり野川喜一郎
吃音となりし告白蛍の夜じゃすみん
起震車の体験終へて麦茶かな佐々木志緒
蟻登る無限の宇宙花葵風峰
サングラス 外してもなお 怖い顔田中 雅文
草笛や川風の音に連れ去られ卯四男
夏神楽媼の首の逞しくむったん
おや君も腰痛持ちかカタツムリ平光 俊明
河童のゐるとうわさの梅雨の月百合乃
ジャワ更紗巻くや涼風くるぶしに永井和子
三歳のなぜなぜ怪獣夏来る伊奈川富真乃
髪洗ふうなじの痣の亡父に似し向井桐華
コンビニをマイホームにして燕飛ぶ西脇 剛
蛍や急いで合わせるISO重波
嘴のえさで育つる燕かな奥村僚一
水やりの手間はぶけたり梅雨晴れ間山崎一子
万緑や鎖場多き男道松永房子
能日(よきひ)なり10日も早い花篝岡本晴義
あらわれて 静寂醸す おにやんま山田 洋一
泣きながら拾ふタクシーさみだるる長谷川ぺぐ
ペンギンの右向け右の涼み台辻が花
露草の露まで愛し名も愛し山躑躅
朝顔のツルが寄り添う陽を浴びて美翠
片陰へ入りてパレードちょと休憩山畑洋二
そのをんなぺろりたひらぐ心太垣内孝雄
十薬の我も我もと咲き競ふ菊池風峰
長靴の蹠沈めて田植えかな青い月
梅雨晴れに傘を持つ手の所在なき坂口 留美子
岩牡蠣のとろっと濃厚夏の味 大久保俊克
散る花や道の余白を残したり草野 道也
ラフランス夏のくびれを取り戻すさとう七恵
実梅もぐ背伸びの腰が痛み出すKかれん


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