愚陀佛庵 インターネット俳句会

結果発表(平成30年7月開催分)

特選受賞句には選者の八木健デザインの「ハイクアート」が添えられます。
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平成30年7月の結果

特選(10句+俳句アート)  秀逸(10句)  入選(88句)

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【特選】御用だ御用だくくつて運ぶ大西瓜(まどん)八木健からのコメント:「御用だ御用だ」がよろしいですね 俳句の発想は
部分をする仕方に負うところが大きい。この句では作者は「括られている西瓜」の「括られる」部分を拡大しているのである。

【特選】物干しに二着吊るすやあつぱつぱ(垣内孝雄)八木健からのコメント:「あっぱっぱ」は簡単な服で夏の季語となっている。俳句に数字は不要とされるが、この句では二着に意味があり読者の想像を駆り立てる。嫁と姑なのか 姉妹なのかなどと。

【特選】頭頂にかけて探すやサングラス(比々き)八木健からのコメント:滑稽句の出発点は 自身を笑うことにある。川柳は自身ではなく誰かを笑うこと。そこに揶揄(やゆ)がある。しかし、自身の失敗を描く滑稽のほうが乾いていて楽しいと思う。身辺に材料がたくさんあるかも。

【特選】絶対に負けたらあかん蝉しぐれ(森内梅子)八木健からのコメント:俳句では 自然の生き物と対等な立場にたてる。この句では「蝉時雨」との対決姿勢をあらわにしている。口語俳句だからストレートに伝わりますね。蝉は地上に出て命が短いからなどというお情けは無用なのだ。

【特選】諦観の海に漂う大海月(田中雅文)八木健からのコメント:諦観は海月にかかる。大海原に漂う海月に諦観を感じたと直接的に書いている。およそ生き物には定められた命があり自身ではどうにもならないものだ。海月に生まれたことが諦観そのものという同情がある。

【特選】出る糞も美し受賞金魚かな(三枝 侑子)八木健からのコメント:「美し」は「はし」と読む。金賞を受賞した金魚もむ糞をするという滑稽。しかし、金賞の金魚だけに糞が美しいと作者は「もちあげ」ている。俳句はこのように表現を展開することで面白くなる。

【特選】捩じれゐしことが正しき捩じれ花(山畑洋二)八木健からのコメント:自然の不思議である。捩じれ花はそれなりの必然性があって捩じれているのだが、なぜ捩じれているのかなどということは俳句では必要ないこと。捩じれているのが人間と異なりあるべき姿だとしている。

【特選】夏帽子顔半分の日陰かな(坂口留美子)八木健からのコメント:当たり前のことでも季語「夏帽子」で半分日陰になるとしたらどんな貴婦人かと思わせる。俳句は季語の置かれた場面の設定によって深いものとなる。半分隠して貴婦人は午後のアバンチュールかなどと読者。

【特選】サイダ-の噴きこぼれたる痴話喧嘩(三泊みなと)八木健からのコメント:痴話喧嘩とサイダーの取り合わせがいい。サイダーの庶民的なこと、大袈裟に吹きこぼれる軽薄は痴話喧嘩と共通しうるものがある。このように季語のとりあわせで痴話喧嘩が文芸になるのである。

【特選】二人でも八等分に切る西瓜(田村利平)八木健からのコメント:大家族だったのだろうか 子どもたちはそれぞれに家を出て、爺婆ももういない。なのに大西瓜を買ってしまったのでしょう。夫婦ふたりだけだから丸ごと買う必要もないのにね。とりあえず八等分して二切れ食べようか。

秀逸

手ぬぐいを首に残して冷し酒奥村僚一
冷麦の束やきりつと化粧箱永井和子
妻拗ねたような胡瓜の曲がり方歌川聖一
夜濯や今日をかきまぜるごとく平田守弘
褌は赤と決めたり鰯雲百草千樹
政治家のバッジ輝く油照司啓
蒼穹の塗り残してや夏の雲風峰
懸命に木へ歩く蝉殻を脱ぐ大槻税悦
登り来て峠の茶屋のかき氷松永房子
夏帽子あれこれ選ぶ老婦人一人静

入選

窓際の楽天的な熱帯魚吟菜
七難も隠して棚に夏帽子月の砂漠★★
夫婦してドラマの字幕追ふ盛夏藤娘なつ
夏帽子やむにやまれぬ旅心野中 たかし
初夏の風おしゃべり始める草花よ美翠
薔薇の香に集まる俄カメラマン草野 道也
静脈の蹠に伸びて夏野かな桃猫
陽は昇り影は短し夏の距離高橋信治
江ノ電の座席一列日焼けの児辻が花
稲妻や天を切り裂き地を叱る山﨑一子
そら豆のくちびる何も言いません西村小市
詩を作る宿題に泣き蚊に泣いて篠﨑順子
仲直りして二人今アイスティー長谷川ぺぐ
隣国に届くだろうか虹の立つ青い月
どどどどと地も屋根も鳴る送り梅雨永井かおる
暑気払医食同源厨船ふじこ
食べ頃はお尻の大きな西瓜かな青い月
夏蝶や水琴窟にもつれ合う水夢
ローン終へて地球は軽し蝸牛平光 俊明
晴れの日が急に雨降る揚羽蝶大久保俊克
炎天の砂浜地団駄踏む肉かつたろー。
手ぬぐいを首に残して冷し酒奥村僚一
そっと手を握るだけでも大花火森岡滋夫
青島の鬼の洗濯夕焼くる照幸
カナカナと夜を待ちつつ山の上重波
代名詞だけで物言ふ極暑かな大津英世
炎昼や難民カフェの椅子へ避難伊藤順女
桃剝けば指をしたたる香気かな百合乃
漱石も子規も長なす炭で焼き秋月なおと
若草や枯れし葎を突き破れ吉村よし生
次々とオセロ返して梅雨明ける雛まつり
山門をしんがりに猫夏行果つ伊奈川富真乃
地球儀の大海を見る海の日に晴好 雨独
くにゆくにゆと山羊の睾丸食む溽暑あまぶー
餌を追う金魚に揺らり糞がつく風間 昭彦
辶はマムシのかたち夏期講習椋本望生
すっぴんの蘭鋳バーの片隅にじゃすみん
初蝉や黄泉の国より父のこゑ風紋
炎暑きてとろけるチョコの如くなり入江 澄泉
毎日が天橋立女郎蜘蛛世一まさこ
鬼百合や匂ひ男の無口なる向井桐華
秘書と避暑一度はやってみたかった田中 庵野
ニューロンの反応鈍き暑さかな龍野ひろし
エプロンの幾何学模様夏惜しむ小川めぐる
向日葵や声弾ませて隠れんぼ小鞠
炎帝や蟄居のほかに術なくて雪子
落ち蝉や吾が指弾き飛び去りぬ佐々木志緒
日盛や切るに切れない長電話花咲明日香
宮入りの 階段に舞う 汗飛沫山田 洋一
冷房の支配下にいる夜の夫城内幸江
漉き上げの湯葉のしづくや月涼しかもん丸茶
うたた寝の妻の守れる砂日傘澤田聖吾
烏瓜夕日を統べてあやつれり李子
籐椅子の凹み亡父の頭の辺り渡邉春生
留学の機影見送る雲の峰千葉睦女
この炎暑内臓脂肪燃えるかしら児玉リツ子
貴婦人や逢えば採りたきあげは蝶柴原明人
炎天を影なき我の歩きけり藤本禮造
夕立やテールランプのみな傾く宇平
サングラスかけて強気にやさをとこ辻 雅宏
炎熱やよたよた逃げる虫と遭う風間 昭彦
青田風満面に受けひとり飯高原山歩
美術館みな大理石と化す炎暑七瀬ゆきこ
上腕に注射の重し夏衣露砂
踊り笠に秘めても色気指先にむったん
川端のせせらぎ涼し薬缶置き中村眞喜男
鰐口を強く鳴らして盛夏なりまこ
麻衣炎暑に風起こしける岡田廣江
指先に角の湿りやかたつむり鹿沼 湖
櫓組む男衆汗のとどまらず斎乃雪
飛魚とぶや空青すぎて広すぎて香壺
炎暑なり猫とろとろと白粥に志保川有
小さき手の拵ふ籠に木の実かなおくにち木の実
朝焼やまだ灯さるる浚渫船渡邉竹庵
梨剥いてもうすぐ母になる娘松田文女
西日中夫は日陰を忌む種族鉢三丸
噴水の遣る方無しと乱れ落ち緞子
おまじない化けて頂戴小判草森鼻恵実子
吾の影の先に飛び込むプールかな霞山旅
夏合宿山梨産のしみ肩に川口祐子
よき姿微妙な角度ねじればな雪花
町ひとつ遠心分離機七日蝉馬留場 露以
広縁の先はみずうみ夏料理露玉
べたべたのマットシャワーでさらに濡れ石川順一
焼きなすよろし瀬戸片口の小鉢彩楓
弾き手なき居間のピアノや西日差す若井柳児
冷房をつけて留守居のたまと野良はずきめいこ
老鶯が鳴いて和尚がりん一打Kかれん


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