俳句の殿堂

萬翠荘 ホームに戻る俳句の殿堂TOP~俳句の殿堂~ 夢

(ユメ)

結社理念

夢冊子
天人合一。虚実自在。俳句は面白く、平成の俳壇をめざす。

代表者

夢代表 前田 吐実男
前田 吐実男(マエダ トミオ)
大正14年新潟県生まれ。
小学校4年生より俳句を始める。
「現代俳句」編集7年・同年鑑部長14年・組織部長4年を歴任。現在、現代俳句協会名誉会員。同神奈川県顧問。昭和56年「夢」創刊主宰。
平成12年第55回現代俳句協会賞受賞。
句集に『妻の文句』『夢』『鎌倉抄』『鎌倉是空』他。

連絡先

住所
248-0007 神奈川県鎌倉市大町5-3-4
FAX
0467-25-5306

代表の100句

1 亡き妻の着物にすがる冬の蝿
2 大晦日鵯が水鉢かきまわす
3 役立たずのせがれ引っぱり初湯かな
4 朝寝朝酒朝湯が俺の喪正月
5 ぼんのくぼよく洗ったか梟よ
6 初閤魔不義密通などわしや知らん
7 冬の蝿俎板舐めて死んでおり
8 四十雀よ俺もお前も同んなじだ
9 切り傷が皹となる寒の入り
10 しんしんと雪豚のもつでも煮込もうか
11 家のどこかピシリと鳴って寒明ける
12 梅開くため安国論寺鐘撞かれ
13 節分や今年は福も鬼も来ず
14 立春大吉いきなり食らう猫パンチ
15 春ですねと弁天池の亀の首
16 春なのに枯れ木の脛を抱いて寝る
17 寝返れば布団からまり春寒し
18 徹夜してまた白梅に叱られる
19 ジーンズのあそこらあたり啓蟄なり
20 啓蟄や布団の中で何してる
21 仏の分まで食べてしまいぬ土筆和え
22 またやりおったか狸の溜めぐそ山笑う
23 沈丁に恋をしてますはぐれ猫
24 春一番吹き飛ばされて整形外科
25 蛤の汁をすすって雛祭
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26 手足生えたら何れ散りじり蝌蚪のデモ
27 尖りだしたこぶしの蕾水かけろ
28 春風についつい杖を忘れけり
29 日は西に菜の花食べてしまいけり
30 何年も鳴かない亀を飼っており
31 四月馬鹿大人のオモチャ買わずに出る
32 咲いた咲いたと鎌倉狸の花見かな
33 春の鎌倉業者にこっそり売ったげな
34 鴬よ夜明けっぱなからよしておくれ
35 春眠の猫をスルメで釣っており
36 春や春タマゴラックが空になる
37 いくらやっても誤植だらけや春の闇
38 満天星を咲かせとうとう要介護
39 春眠やそのまま眠り続けたら
40 観音さまに逢いにゆかんと更衣
41 ノラ猫が食べてしまいぬ鰯雲
42 敬老の日ノブにトイレットペッパー掛けてあり
43 遅いねと噂をすれば彼岸花
44 曼珠沙華咲いて鎌倉是空かな
45 秋思とは笑止千万バス飛び乗る
46 分れ道キチキチバッタに抱きつかれ
47 青松虫に攻められている古都鎌倉
48 後ろ姿は狸だったよ後の月
49 らっきょうよ尻尾切られて化けるなよ
50 死なば此処釣糸垂れて秋の海
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51 小便をかけてみろよと蚯蚓鳴く
52 牛筋をぐずぐず煮込む颱風裡
53 鰯雲鯖雲それから秋刀魚焼く
54 お休みなさい猫のトイレで鉦叩
55 鎌倉に鰶(このしろ)漁れてもうすぐ冬
56 藪っ蚊に水飲ませておく文化の日
57 守宮の子乾らびておりぬそこから冬
58 おでん酒バクダンが出ておしまい
59 亡き妻が座っておりぬ菊膾
60 烏瓜突っつかれるまで放っておけ
61 脚一本が足高蜘蛛の忘れもの
62 天高し原発ゼロも馬の耳
63 疼痛の脚を引きずり冬の駅
64 極月や猫が素っ飛ぶ大嚏
65 頬っぺたを噛む癖ついて十二月
66 このわたの抜けたる海鼠買わさるる
67 綿虫の漂うばかり政子の墓
68 蛸の足足しておくれよおでん酒
69 デパ地下閉店客もイエスも追い出され
70 何から何までぐだぐだの年詰まる
71 海月啖って方向感覚おかしくなる
72 黒南風だソレ有りったけの刃物研げ
73 青梅落ちて猫のサッカーボールかな
74 ひらひらと日傘忘れた黒揚羽
75 衣被つるんと飛んで行方不明
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76 ゲジゲジばらばらあんまり人をなめるなよ
77 俺より先に逝く奴あるか藪椿
78 蜘蛛の巣にもろ引っかかる朝帰り
79 ゴキブリ哀れ鳴けないばかりに目の敵
80 鰹捌けば先ずノラ猫がのぞきにくる
81 青鷺が佇っているから黄昏る
82 ががんぼよ文句あるならサッサと言え
83 死ぬほど好きな女もおらず桜桃忌
84 初蝉や爺(ジジ)ィと鳴いてそれっきり
85 税の督促どうでもいいやトロ鰹
86 藪っ蚊め俺の帰りを待ち伏せる
87 終り湯はいつもふくろうといつしょ
88 夕野分用もないのに踏切まで
89 土用丑の日うなぎが蜆に化けちゃった
90 奴にも喰わせん相模の鯵の活け作り
91 新盆供養読経の最中油蝉
92 秋の蚊が老眼鏡を覗きにくる
93 やるべき事一つもやれず鰯雲
94 栃木からひゆるりひゆるりと新干瓢
95 飲んでないのにもう目が真赤猩猩蝿
96 さてどうしようコップのふちの猩猩蝿
97 終い風呂そろそろ夜鷹もやってくる
98 ががんぼのデモがはじまる日暮れどき
99 糸瓜忌や干瓢巻でも作ろうか
100 松茸飯炊きあがるころ現われる

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