萬翠荘 ホームに戻る|俳句の殿堂TOP|~俳句の殿堂~ 朱雀俳句会
朱雀(スジャク)
結社理念
有季定型と美しい日本語を守り、生命の証の詩をめざす。
主宰者
有山 八洲彦(アリヤマ ヤスヒコ)
少年の頃、奈良県立商業学校で大國静園先生(木太刀同人)先生の手ほどきを受けた。
戦後「金剛」に入会。下村槐太の指導を受け社中同人。槐太の休俳につき「鶴」に入会。
昭和31年「運河」創刊に参画、編集発刊人。
昭和57年「狩」入会。61年、同人。
俳人協会評議員。奈良県俳句協会理事。
連絡先
住所
〒630-8276 奈良県奈良市
北半田西町14-3
〒630-8276 奈良県奈良市
北半田西町14-3
FAX
0742-26-8168
0742-26-8168
主宰の100句
1 | 火を焚くや樹下を樹下とも思はずに |
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2 | いでてすぐ麦の芽天を志す |
3 | 藁塚の眼に十(とお)あまりまだその他 |
4 | 妻よ子よ出水のあとの蝶荒し |
5 | 奈良太郎秋夕暮の鳶の輪に |
6 | 風花に女壺抱き出づるかな |
7 | 柿もぐや幹に豊かな胸押しつけ |
8 | 日記賣場悲しき瞳もて人集ふ |
9 | 九頭龍の激し易しや芦枯るる |
10 | 往き交ふや乙女ら髪に雪飾り |
11 | 金魚桶市電に持ち込み床濡らす |
12 | 菊人形源平ともに美男美女 |
13 | 飛び易きところ選びて黒揚羽 |
14 | 鳥居立つこの炎天の何処に神 |
15 | 老漁夫の早汗臭し日の出前 |
16 | 気短かな神がすぐ消し春の虹 |
17 | 甘藍の玉巻く太平洋傾き |
18 | 絶壁に守られ泳ぐ女ばかり |
19 | 虫の夜の使はず減らず甕の水 |
20 | 飾られてからは打たれず祭牛 |
21 | 白桃の汁したたらし生身魂 |
22 | 加はるも去るも許さぬ鴨の陣 |
23 | 砂浜を踏めばきしみて啄木忌 |
24 | 天上より天下に垂らす甘茶かな |
25 | 招かれしごとく花野に来て坐る |
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26 | 北斎の富士に激突金亀子 |
27 | 木枯に頬削られて艀舟 |
28 | 金輪際逃げぬつもりの稲雀 |
29 | 八方に侏儒(こびと)駆け出す風落葉 |
30 | 鰐園の隅に置き去り花筏 |
31 | 刃物売初午の地に茣蓙敷きて |
32 | 壁撫でてスイッチ探す熱帯夜 |
33 | 二上も浄土も雨の練供養 |
34 | 初夢を見しとも見ざりしとも思ふ |
35 | 星の数いよいよ増えて端居かな |
36 | 草笛の鳴らぬを草のせゐにせり |
37 | 近づくと見えて遠のき螢の火 |
38 | 金箔を海に広げて月昇る |
39 | 大器とはなれずじまひにちやんちやんこ |
40 | 一斉に鍋の蓋取り年忘れ |
41 | にぎやかに水が押し合ひ春の川 |
42 | 父のせしごとく軋ませ籐寝椅子 |
43 | 美しきものを集めて落葉焚き |
44 | 夜濯ぎの足拭ひをり歌磨忌 |
45 | 水槽の水の透明冬はじめ |
46 | 電線の雪落つ紐のままで落つ |
47 | 計るもの尽き天仰ぐ尺蠖虫 |
48 | 手毬つく大仏殿の石畳 |
49 | 片蔭に添ひ水中を行く思ひ |
50 | 樹下といふやさしきところ袋角 |
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51 | 夕刊のあとに郵便そして雪 |
52 | 空青きことを称へて冬雲雀 |
53 | 牛蛙闇の深さを嘆き合ふ |
54 | 裏山に春の来てゐる火消臺 |
55 | 切子に灯入れて夜となる山河かな |
56 | 神棚へ運ぶ七種粥の湯気 |
57 | 日輪をかすみぼかしに山ざくら |
58 | 黄落や雀らも散るもののうち |
59 | 抱いて見て竹婦人とはこんなもの |
60 | 且つ散りて紅葉筏となりゆくも |
61 | 短艇の水尾の切れ味青葉潮 |
62 | 啄木鳥や嶺々は袖重ね合ひ |
63 | 灯を消して河鹿に夜を明け渡す |
64 | 泥が動きて亀の子と解るまで |
65 | 国中(くんなか)の空傾けて鳶の恋 |
66 | 針祀る日も酷使して畳針 |
67 | 病葉を掃き木洩れ日を掃き残す |
68 | 朝顔の種揉んで採る吹いて採る |
69 | 蓑虫の天はるか地のはるかなる |
70 | 餅花や埴輪に二重瞼なし |
71 | 日暮まで護摩に余熱や一の午 |
72 | 寒晴れや阿修羅に二の腕三の腕 |
73 | 橋脚が育てし中州行々子 |
74 | 星飛ぶや甲斐は山もて山囲ひ |
75 | 木を讃へ水を囃して囀れり |
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76 | この年のこの日の午後の鰯雲 |
77 | 三輪車隣りの子猫抱きに行く |
78 | 朧夜のナイフをぐさとかすていら |
79 | 手入れして松の大半持ち去れり |
80 | 冠雪の以下は濃紺五月富士 |
81 | 紙の大蛇紙の音立て里神楽 |
82 | 鈍行に乗れば旅めく西行忌 |
83 | 五十歩と百歩の大差青き踏む |
84 | 放せ放せと少年の蝉騒ぐ |
85 | ふるさとに第二がありて葉鶏頭 |
86 | この部屋の月日始まる新暦 |
87 | 蜆掻く舟より長き竿をもて |
88 | ダムの秋古地図のさまに菱畳 |
89 | 目よりも遠き漁火能登の宿 |
90 | はるばると来てすぐ浮寝鳥となる |
91 | 信号機のみに色あり古都しぐれ |
92 | 初夢を少し脚色して話す |
93 | 内濠の大阪春の鴨の陣 |
94 | 笠雲を少しあみだに五月富士 |
95 | 校歌には必須の山河雲の峰 |
96 | 鬼あそびして鬼戻る花筵 |
97 | ひとり抜けしばらく無言焚火の輪 |
98 | おたまじやくし一頭身を尾で泳ぐ |
99 | 買うて喰ふ終戦の日の握り飯 |
100 | 夏草とおのが影食む牧の牛 |