俳句の殿堂

萬翠荘 ホームに戻る俳句の殿堂TOP~俳句の殿堂~ 六町

六町(ロクチョウ)

結社理念

六町冊子
楠本憲吉先生の俳句道詩魂を受け継ぐ。
結社会員はそれぞれの個性を大切に、これまでにない表現を目指している。

主宰者

六町主宰 内田 よしひこ
内田 よしひこ(ウチダ ヨシヒコ)
昭和9年徳島県生まれ。
同50年俳句聚落入会。俳句を始める。平成10年7月同人誌「六町」創刊主宰。
同11年高知市長賞受賞。同14年中国新聞社賞受賞。

連絡先

住所
〒780-8018 高知市竹島町18-15

主宰の100句

1 初日の出さえぎる雲を押し上げん
2 満ち潮や春の生きるる力もて
3 雁風呂憶ふ土佐の浜の流木焚き
4 ひとすじに漁師に生きて梅白し
5 これはまあたまるかおおおきに蓬餠
6 そればあのこた誰でも知っちょる昼蛙
7 そこにおったらまぎるき寄ちより雀の子
8 へんしも書かにや言葉は逃げる花は葉に
9 おんしおらと言うて親しき茎立ち菜
10 いま塵も灰も付かんちや猫の恋
11 明日から変るに変らん豆の花
12 圧鮨や老いたる母の機嫌よく
13 卒業子廃校となる廊下拭く
14 不器用に生きて器用に畦を塗る
15 春寒や潮目さだかに土佐の海
16 大水車雪解けの水に励まされ
17 水を押す水のいきほひ遅ざくら
18 歩きあと一輪の花を咲かせたし
19 春の夢渚に拾ふ金成る木
20 白魚に消し忘れたる目玉あり
21 なまこ壁つづく松崎桜東風
22 風ひかり画布にあふるる裸婦ふたり
23 堕ちてなお燃ゆる椿の濃く淡し
24 胴上げに手を貸すひとり落第子
25 迎へ火にとどめを刺され暴れ野火
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26 海光のかもめを生めり青岬
27 飛魚の滑空船と競いけり
28 波乘りの少年時に発光す
29 花火消え透明人間になりすます
30 送り火に染まる西空渋滞す
31 台風に龍馬憶せぬ懐手
32 夏非す男と女天と地も
33 語り継ぐことが供養や原爆忌
34 満願の燭ゆるがざる薄暑かな
35 掩体壕今も口あけ草萌ゆる
36 四万十川の光る瀨を打つ初燕
37 住まふ人ついぞ見る家朴咲けり
38 花火果て一揆の如く人動く
39 寝返りをうちて暑さを裏返す
40 生国は問はず語らず夏遍路
41 人十色日傘百彩交差点
42 大いなる山よ夏雲立ち上がり
43 黒潮の香を切口に初鰹
44 盆太鼓汗の乳房を揺らし打つ
45 梅雨兆す和紙人形の髪褪せて
46 土砂降りへ飛び出して行く祭足袋
47 青葉して湖面はるかに近江富士
48 大和美しいま万緑に塔顕ちて
49 志摩の海磯笛蒼き海女の夏
50 夏潮の海女の肢体は藻の如し
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51 名月や九品のどこに坐ろうか
52 星月夜一人を降ろす山の駅
53 月白の沖に橋梁運送船
54 海女浮上桃色だけの秋の虹
55 流灯の火のある限り漂ひぬ
56 色も香も日曜市は秋を売る
57 刃物まだ火玉よ鍛冶場暮れ易し
58 秋鯖の炎を皿へ移しけり
59 火の玉の落日秋の予讃線
60 七十年生きて二人のとろろ汁
61 紅葉山脈絡のなき色を織り
62 力なき瀬音となれり崩れ梁
63 秋桜おかめひょっとこ浮かれだす
64 押れ過ぎた女とすするとろろ蕎麦
65 揃へたる脚美しや田鶴啼けり
66 四つ手網大夕焼を掬ひけり
67 夕月を掬ひて農の顔洗ふ
68 裾踏んで着丈をなおす綾子の忌
69 実椿や日はさんさんと獺祭忌
70 皺の手で皺の手握る千代尼の忌
71 痩せたがる女ばかりの月見会
72 秋深し妻の頭頂透けて見ゆ
73 うろこ雲好きで一生漁師する
74 白波が白波生めり鰯雲
75 御畳瀬種崎渡船の歴史葉月潮
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76 干魚をねらう群鳥冬漁港
77 シオギクや女相似る漁師村
78 カクテルに寒星ひとつ入れようか
79 片や後家片や出もどり日向ぼこ
80 眠ること増え来し母と冬ごもり
81 散りてのち棘のみ生きる冬の薔薇
82 寒葵胸中ふかく花を秘す
83 蒼天は瀞のしづけさ冬牡丹
84 霜降や里人集ふ憩の湯
85 神さびる八百年の冬泉
86 残党狩り逃れ都の雪蛍
87 山眠る地震あとの傷癒えぬまま
88 足し算にしたき余生や日向ぼこ
89 蛤のチューと口あく寒見舞
90 一声が古城を包む東天紅
91 飲み明かす沖に鯨の棲む土佐に
92 冬蝶を追ふて福山まで来しと
93 冬潮の夜目にも白き鞆の浦
94 奥祖谷の峡がふるさと栗筵
95 山茶花の白さへ闇が落ちて行く
96 雪に汲む井戸水かたき仁淀村
97 冬の海色の褪せ行く貝拾ふ
98 躓きし石蹴ってゐる寒の入り
99 余白とは余生のいのち吾余寒
100 冬凪の水平線まで歩けそう

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