俳句の殿堂

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くぢら

結社理念

くぢら
「心に響く言葉で 心に届く俳句を」を理念に己の生きる証の俳句を全体重をかけて詠んで生きたい。共に励まし共に研磨し、唯一無二の己だけの生きる俳句を詠んでいきたい。

主催者

くぢら主宰 中尾 公彦
中尾 公彦(ナカオ キミヒコ)
昭和23年 長崎県に生まれる。 平成14年 林 翔、能村研三に師事、「沖」入会。
平成18年 第34回「沖」新人賞受賞。「沖」同人。
平成20年 『現代俳句精鋭選集8』共著刊。(東京四季出版)
平成21年 角川春樹に師事、「河」入会。
平成22年 「河」新人賞受賞。「河」同人。
平成23年 「河」角川源義賞受賞。
平成24年 第十回「河」銀河賞受賞。「河」無鑑査同人
平成26年 「河」退会。
平成26年 「くぢら」創刊主宰。現在に至る。★句集『永遠の駅』(文學の森)★俳人協会会員、現代俳句協会会員

連絡先

住所
〒162-0045 東京都新宿区馬場下町9-501
TEL
03-3208-0556
FAX
03-3208-0556

主宰の100句

1 トースターの熱線二本猟期来る
2 ロープウエイより十月の導火線
3 からすうり銀河系より来る電波
4 冬オリオンFの鉛筆持つ角度
5 ケント紙に列柱の位置冬立てり
6 火の番やシリウスに行く翼欲し
7 冴返るバックミラーに目のふたつ
8 どの皿もパセリの残る涅槃の日
9 傷口に脈のあつまる夜の新樹
10 竹酔日コーヒー豆を深く焙る
11 白靴やコルクを割ればポルトガル
12 腑分図の静脈青し雹が降る
13 指先に電流からすうりの花
14 七夕やポップコーンに火の匂ひ
15 水色のホースのたうつ炎暑かな
16 ひまはりやピアスはづさる死者の耳
17 父に焚く送り火語り足らざるや
18 かりがねや蒼天にルビ振つてゆく
19 秋麗の碑文に指の感応す
20 楮蒸す梁に火の札貼られけり
21 晩秋に繋がれてゐる神の巌
22 紙を漉く雲海に手を晒しをり
23 神の丘よりカシオペア流星群
24 吊るされて海を見てゐる金魚玉
25 競泳の水の強さを割つてをり
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26 みんみんや皮膚が鼓膜になつてゐる
27 スクリューに加速のつきて鰯雲
28 導火線しかけ発火の蔦かづら
29 真夜中のあけびの割れて火薬臭
30 青すぎる空より猟期来る気配
31 羽子つけば空一枚の降りて来る
32 キャンドルの中に生まるる冬の首都
33 地図になき枯野の沖をたたみけり
34 大寒やパンタグラフの火花散る
35 春光の海一枚が帆となれる
36 真つ青な雨降り春蚕めざめけり
37 鳥帰る鍵のない空つづきをり
38 さへづりや交番にあるパイプ椅子
39 魔笛とは夜空をおらぶ青葉木菟
40 お水取火に濡れてゐる夜なりけり
41 やどかりの殻出て月を浴びにけり
42 眼帯の中のまばたき蝶の昼
43 水中花死者にルージュの匂ひ立つ
44 緑蔭の解放区といふ闇にをり
45 コーヒーフィルターに濾過されてゐる晩夏
46 潮騒や銀河に触るるくぢらの尾
47 消防の第五分団根分せり
48 蝙蝠やワインの瓶の深ねむり
49 唐辛子吊られ伊太利亜料理店
50 またひとり遙かなりけり蘆を焼く
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51 あやふやな時間のやうな葛湯吹く
52 島ひとつ吊るされ冬の蜃気楼
53 身の鱗はがれ黄落とどまらず
54 安楽死を願ふからすうりの花
55 略奪といふ愛もあり皮手套
56 竹床几一番星に置かれあり
57 鶏頭が日暮るるモノローグな時間
58 羽子板や空にはみ出す写楽の目
59 玻璃に薔薇燃えて大聖堂の冬
60 鷹の目や鮮血にじむバンデージ
61 リザーブの卓布は真紅レノンの忌
62 湯豆腐のある一灯に帰りけり
63 すばるとは永遠の駅なり竜の玉
64 篁に忘れ水あり笹子鳴く
65 漁り火の色も凍てたり多喜二の忌
66 つちふるや名画座のベル鳴りやまず
67 血の滲むリングは四角寺山忌
68 たましひがみどりの繭となりにけり
69 薔薇の日曜ボブ・ディランを聴いてをり
70 海境に火蛾の狂ひてゐたりけり
71 海がまだ燃えてゐるなり青銀河
72 空蝉のまなこに父のゐたりけり
73 秋燕忌雨の茶房に灯がともる
74 抽斗にガラスペンあり聖五月
75 佐世保には原潜の在り海灼くる
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76 流星やエイトビートな夜が来る
77 通草熟れここから先は火気厳禁
78 置き去りの真つ赤な手套イマジン忌
79 薫風一枚ペーパーナイフに切られけり
80 麦秋や月曜といふ孤独感
81 炎帝に脈をとられてゐたりけり
82 天狼の止まり木われの止まり木よ
83 秋の繭いのちの色となりにけり
84 鈴虫に荒野を吊つてゐたりけり
85 神の留守デニムで過ごす日曜日
86 とまり木はをとこの孤島鳥渡る
87 大気圏にも氷壁があり鷹一過
88 瞑れば眼裏熱し冬怒濤
89 煖炉の火硝煙匂ふコート吊る
90 七日粥いのちの色を掬ひけり
91 流し雛たましひ連れてゆきにけり
92 点滴の点の時間を抱く遅日
93 啓蟄のスニーカー雨に濡らしけり
94 どの樹にもたつぷりの朝夏うぐひす
95 ボードセーリング海一枚を天に吊る
96 処暑の雨皮膚一枚を鞣しけり
97 オイスターバー木箱に檸檬積まれけり
98 猟銃の残響赤い手が残る
99 葡萄酒とジビエ料理と煖炉の火
100 加賀格子みぞれの傘をたたみけり

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