俳句の殿堂

萬翠荘 ホームに戻る俳句の殿堂TOP~俳句の殿堂~ 煌星俳句会

煌星(コウセイ)

結社理念

煌星俳句会
誓子の根源俳句、利彦の自然美詠唱を受け継ぎ、

  • 1)本質把握
  • 2)感動第一
  • 3)新想深意
をスローガンに活動している。即ち、対象そのものを、ああという感動を込めて、深く詠むよう求めている。そのためには現場に立つことが大事と毎月ミニ吟行を開き毎回百名ほどの多きが楽しく参加している。来年の10周年が楽しみである。

主宰者

煌星俳句会主宰 石井いさお
石井 いさお(イシイ イサオ)
昭和16年三重県生まれ。
三重大学を卒業。高校教員を38年。山口誓子に根源俳句を、松井利彦に評論の書き方を学ぶ。
平成16年煌星を刊行。この間『俳壇』で俳句と随想を一年間、『俳句界』の選を一年半勤める。

連絡先

住所
〒510-1253 三重県三重郡菰野町潤田772
FAX
059-393-4529

主宰の100句

1 磯風を翼に溜めて春の鳶
2 豆を撒く闇に手応へなかりけり
3 海女小屋の焚火明かりに繕へり
4 船笛は漁師の言葉鰆船
5 老藤の万力棚を締めつける
6 小走りになれば小走り遠足児
7 静止画の動画となれる落花かな
8 磯嘆き十尋の深み吐き尽くす
9 棒として引き上げらるる疲れ海女
10 渦潮や白き絵具を奔放に
11 ビブラートつけて鳴き継ぐ揚雲雀
12 海女潜り遅れて潜る命綱
13 伊那谷の深きをえぐり雪解水
14 垂直に入り垂直に海女浮かぶ
15 繫留の船と共揺れ花筏
16 曇天につかへ雲雀の横滑り
17 ちぎれとぶ声を交して若布舟
18 火の筵捲り上げつつ野火走る
19 朝の日を絡めとつたる白魚網
20 島島を置石にして瀬戸の春
21 瀬音に寝瀬音に目覚む芽木の宿
22 岬に湧き岬に消えゆく春の鳶
23 揚雲雀天に経線引き続け
24 押し合うて流水己が位置定む
25 揚雲雀雲に音符を撒き散らす
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26 げんげ田が囲む明日香の后陵
27 火振漁黒子のごとく人動く
28 砂の色残して乾く千鰈
29 祭笛一つうなづき吹き始む
30 蛍死し闇の詰まれる蛍籠
31 噴水や濡れたる風の落ちてくる
32 名峰が研ぎ出す川に鮎を釣る
33 羅の重なるところ翳のあり
34 揚花火次のページのめくり咲く
35 百丈の風を放ちて滝落ちる
36 水音を筬として滝の糸紡ぐ
37 つばくらめ雲を啄み下りてくる
38 絢爛を解きて素木の祭鉾
39 天降る滝風を巻き込み落下せり
40 土用波海傾けて崩れけり
41 緩みゐず張りすぎてゐず蜘蛛の糸
42 伊勢湾を白塗りに消す大夕立
43 鳥の声沁みゐるテント畳みけり
44 祭り笛角度整へ吹き始む
45 潮痩せの海女に重たき鮑桶
46 田の水を叩いて怒る水喧嘩
47 夕焼けをワインに溶かし乾杯す
48 大西瓜まづ目線にて切つてをり
49 撒く餌に紅盛り上がる田の金魚
50 豊かなる水を束ねて鵜飼かな
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51 焼印を押したる阿蘇の牛冷す
52 競べ馬脚に浄めの塩を掛く
53 滝上る鮎全身をばねにして
54 雪渓の裾に真白な水芭蕉
55 解禁の硬き水より鮎を釣る
56 登山バスお花畑が停留所
57 山霧に重みのありて山下る
58 吸ふ息も哭いてゐるなり村歌舞伎
59 水落す音に一村暮れてゆく
60 山の音山に鎮もり秋深む
61 短日や山は光を斜め切り
62 十百の岬を掛けて鷹渡る
63 添水聞く心の中を水流る
64 消えゆきて崩れ字を書く大文字
65 輪中村時雨霞みの方三里
66 風の私語絶ゆることなし芒原
67 応援の声回りゆく運動会
68 島島を湾に嵌め込む水の秋
69 先づ風の流してゆけり風の盆
70 窯出しの茶器も冷やせる紅葉風
71 日の落つる山かはりたり日脚伸ぶ
72 木の実落つ山に一つの音加へ
73 水の板延ぶる琵琶湖や月今宵
74 一村が虫籠となる虫しぐれ
75 稲妻は神のフラッシュ闇を撮る
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76 水鏡割つて着水飛来鴨
77 鳴く虫の渾身腹も波打たせ
78 田を一つ裏返したる蓮根堀
79 桐一葉序の舞二の舞三の舞
80 冬波の荒きを曳けり地引網
81 身を置けば窯場に山の冬の声
82 水面を八つ裂きに吹く北颪
83 千枚の障子明りや白河郷
84 冬の田を刃金剥がしに遺跡掘る
85 向きを変へ鴛鴦色を回したり
86 風に乗り風を隼超へて飛ぶ
87 広き湾牡蠣の漁師は庭と呼ぶ
88 銀色の風の吹き抜く樹氷林
89 紺天を一刀断ちに刺羽飛ぶ
90 俗界の音を断ちたる雪囲
91 天空の冷え持つ凧を地に下ろす
92 この島の裏側もまた牡蠣筏
93 注連を綯ふ藁の強弱知り尽くし
94 凧落ちる風の呼吸に抗ひて
95 竹馬の後ろかぶりの帽子かな
96 若水や地球は水の満つる星
97 風神と綱引き連凧高揚る
98 先頭が揺れ連凧の竜尾揺る
99 遊びたき方へ遊ばせ凧揚げる
100 卒業の答辞きっちり折り畳む

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