萬翠荘 ホームに戻る|俳句の殿堂TOP|~俳句の殿堂~ 鷗俳句会
鷗(カモメ)
結社理念
平成3年4月銚子市に「鴎俳句会」を結成。会名を鴎としたのは、銚子漁港に二十余り種類の鴎が何万羽といるので「会員が鴎の様に」を願い名付けた。
銚子の名刹淨国寺に小林一茶が残した真筆「ほととぎす爰(ここ)を去ること遠からず・一茶坊」があり、これを鴎俳句会が句碑にしたので会の理念は、一茶扇に肖り(あやか)「挨拶と滑稽」とした。
俳句は短いが故に奥深く多弁な文芸なので、可笑しみから哀しみまでの振幅の間合いの森羅万象を詠むとしている。
主宰者
永島 唯男(ナガシマ タダオ)
本名 董王1935年3月6日千葉県木更津生まれ。
1985年頃より俳句・新聞・テレビ・雑誌に投句。1991年、鷗俳句会主宰となる。現在、鷗俳句会主宰、天為俳句会主要同人、俳句協会千葉県支部幹事、滑稽俳句協会会員、連句協会会員、大江戸連句会会員、ラピロス連句会会員、雑俳・新造連連衆、NHK学園俳句講師、旭市俳句塾講師、銚子市生涯学習アドバイザー。
連絡先
住所
〒288-0051 銚子市飯沼町2-11
〒288-0051 銚子市飯沼町2-11
主宰の100句
1 | 東の海には初日山に月 |
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2 | 御雑煮を咥へて伸ばす壽 |
3 | 初夢の獏の丸焼齧りゐて |
4 | 猫舌の男を嗤ふ嫁が君 |
5 | 大盃の銘は武蔵野年酒酌む |
6 | 人日も人には云へぬ宿酔 |
7 | 福笑鼻から下はすぐに顎 |
8 | 籟初の尺八又もくり返す |
9 | 鳴竜を鳴かせて参る女正月 |
10 | しくじりの尻置きどころなき四温 |
11 | 路地をゆく二月礼者の下駄の音 |
12 | 盆梅の思ひのままの色模様 |
13 | 初午の太鼓どろどろ美女消えて |
14 | 裲襠の裾たかだかと踏む踏絵 |
15 | そそくさに野暮用済まし二の替 |
16 | 漣のきらめきに脱ぐねこやなぎ |
17 | のびのびになりたる野火の火を放つ |
18 | 蕗味噌を舐めては岬る妻の留守 |
19 | 生酔ひのながき尿に冴返る |
20 | 飼主に似て夜遊びのうかれ猫 |
21 | 嬉しくも嬉しくもなや喜寿の春 |
22 | せせらぎの音に挵られ山笑ふ |
23 | 蜥蜴出づ地獄の門を抉開けて |
24 | 菰芽吹く恋にめざめし池の鯉 |
25 | 強東風になみなみならぬ波しぶき |
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26 | 落ちてなほころころ転ぶ藪椿 |
27 | 冠を抱かせ納む内裏雛 |
28 | 縁ぬくし人の噂は蜜の味 |
29 | 日は高し彼岸払ひの般若湯 |
30 | 早寝して心置きなく大朝寝 |
31 | 四月馬鹿猫を被りて人騙す |
32 | 姿見をやうやく抜けし花衣 |
33 | 甘茶仏ぶつぶつぶつと呟きて |
34 | ドーナツの穴も頬張り靑き踏む |
35 | 風船を吹く風船のやうな顔 |
36 | 針金のハンガーを組む鴉の巣 |
37 | 龜の啼く一萬歳の誕生日 |
38 | ちよび髭の紳士の綽名チューリップ |
39 | 蒸蝶むしりむしりて独り酌む |
40 | おぼろ夜をふらり出掛ける梯子癖 |
41 | 地下街の円き柱に五月来ぬ |
42 | 旭日に焔のやうな緋の牡丹 |
43 | 竹の子と最早呼べなき背丈にて |
44 | 土性ッ骨引きぬかれたる鯉のぼり |
45 | 日本の大人も休む子供の日 |
46 | 一匹の蝿のうるさき昼の酒 |
47 | 時鳥特許許可局亦不許可 |
48 | 機嫌よき発電風車卯浪寄す |
49 | 油繪の裸婦に貼りつく宵の蜘蛛 |
50 | 謎解けぬ推理小説明易し |
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51 | 下腹の肉憎みつつ更衣 |
52 | 売家の貼紙あせし花樗 |
53 | 青蘆に考へる人青ざめて |
54 | 夏つばめ袋小路を引き返す |
55 | 好事魔の取付きやすき木下闇 |
56 | 孑孑のふらりふらりと浮き沈み |
57 | さみだれの水掛地蔵水かける |
58 | 蝸牛あめにも負けず竹を攀づ |
59 | 大振りの最中を喰ふ梅雨最中 |
60 | 七癖のうちの潔癖黴払ふ |
61 | 半夏生姫鏡台に眉をひく |
62 | へらへらと見透く世辞の汗拭ふ |
63 | 草取をせねばせねばと伸ばしゐて |
64 | 驚きて鳥肌立てる羽抜鶏 |
65 | 首たてに振らざる妻と扇風機 |
66 | 辻褄を無理やり合はす冷し酒 |
67 | ビア樽のごとき腹して心太 |
68 | 山寺の訛なくなく油蝉 |
69 | 天辺は見えゐて重き登山靴 |
70 | 魂のひよいとぬけだす篭枕 |
71 | 近道をして道草の鳳仙花 |
72 | 銀蜻蜓B29のやうに来る |
73 | 甘くなき名医打診の西瓜にて |
74 | かなかなの亡骸になく法師蝉 |
75 | 日の暮の輪になる前の踊の輪 |
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76 | 生身魂処かまはずしやしやり出づ |
77 | 盂蘭盆會輪廻轉生觀覧車 |
78 | 流灯の命の尽きる如く消ゆ |
79 | 鉦叩地獄極樂たたき別け |
80 | 稲妻と仲睦じく夜を明かす |
81 | 匕首に一寸足らざる初秋刀魚 |
82 | 半畳を入れられて注ぐ温め酒 |
83 | 野分去る牧場の馬の背を分けて |
84 | 坐りよき臀にせむと大瓢 |
85 | 敬老日茶呑みばなしは墓のこと |
86 | 偽りは人の為とや曼珠沙華 |
87 | 俯きて何をつぶやく秋遍路 |
88 | ちろちろと未練の舌を穴惑 |
89 | 良寛の手鞠はされて望の月 |
90 | むらむらと燃えて飛びつく夜這星 |
91 | 鬼胡桃埴輪の口に入らざる |
92 | 頬杖の杖の痺れてゐる秋思 |
93 | とろろ擂る膝ッ小象の手を借りて |
94 | 馬請ゆる別腹はこの三段目 |
95 | 黄な声の山彦の棲む黄葉山 |
96 | 致死量に少し足らざる天狗茸 |
97 | 峰といふ峰の頂十三夜 |
98 | 修験者の修行妨ぐましら酒 |
99 | マジシャンの然気なく吐く葡萄種 |
100 | 十月の末の七曜使ひきる |