俳句の殿堂

萬翠荘 ホームに戻る俳句の殿堂TOP~俳句の殿堂~ 風羅

風羅(フウラ)

結社理念

風羅冊子
俳句の骨法を身につけて、自由自在に自分の言葉を記す、新しい自分作り。羅に現れる風の如し。

主宰者

風羅主宰 三木 星童
三木 星童(ミキ セイドウ)
昭和15年1月1日生まれ。
平成8年「摩耶」創刊同人。平成12年主宰。平成19年「風羅」創刊主宰。 現在に至る。句集『日本海』俳人協会会員・現代俳句協会会員・大阪俳人クラブ会員。

連絡先

住所
〒560-0005 大阪府豊中市西緑丘3-24-13
FAX
06-6854-6688

主宰の100句

1 春兆す未来へ顔を洗ひけり
2 よろめきに空気の支へ春立ちぬ
3 早春の夢星踏んで渡りをり
4 休みたる樹下に余寒や立ち上がる
5 囀りは言葉にあらず空の唄
6 花大樹地に上下なき影の枝
7 花散るや素足に探る日本海
8 ただよひの川に駅なし花筏
9 揚雲雀空に頂ありにけり
10 やどかりの宿を探して刻む影
11 足袋はかぬ仏おはして春なかば
12 鴨引きて水際に人残りける
13 たんぽぽを手折るや失せし畦の風
14 国境はなき水春の日本海
15 人の世の角消しさつて風車
16 野に密使亀の鳴くこゑ届けたる
17 土筆野を歩めば命折るる音
18 鳥帰る雫の刻む海の道
19 極楽の入口は土春落暉
20 天を背に梯子の男緑摘む
21 日本の汀に果てて桜貝
22 つひに跳ぶ坂を越え来し蟇
23 遠ざかる昼の雑音大牡丹
24 骨立の男ただよふ植田かな
25 草の上の風になりけり蟬の殻
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26 蓮の葉を傘とす影の濁り水
27 山に入る人に会ひけり雲の峰
28 揚花火影の男女をつつみたる
29 垂直の世を出でむぼうふりの空
30 一切は簾の内にありにけり
31 尻つかぬ軽さになりて菖蒲風呂
32 牡丹の崩れて自我を放ちたる
33 鯉幟尾に深谿の水の音
34 軒深し夏のしづけさ溜めてをり
35 蝙蝠の高さになりぬ夕の空
36 片蔭を出て老人と犬去りぬ
37 火の糸のもつれ解けぬ螢かな
38 一生は光輪のなか水澄し
39 蜊蛄を釣つて下闇明るうす
40 羅に風現れて雲の照り
41 名はあるや戒名あるや死せる蟬
42 風鈴の鳴り初むる時上を向く
43 ででむしに道や転回ならず消ゆ
44 登山して余命の時間使ひをり
45 象潟に消えたる人や蟻の道
46 蚊柱の崩れて知恵の崩れたる
47 動かぬに得るもの多し女郎蜘蛛
48 まひまひに空と水人に天と地
49 空蟬の落ちて地中へ発信す
50 啞蟬や語り尽せし土の中
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51 蟻に声あれば石磴踏み安し
52 夕焼けの十万億土砂を踏む
53 日本海田水を落とす日本人
54 秋味のぶつ切り夕日失はず
55 遠き日の渦とし消ゆる銀やんま
56 沼描く乙女やはらに蓮の実飛ぶ
57 風の盆夜を滑りし蹴出しかな
58 人ら来て芒野にみな消ゆるなり
59 赤とんぼ群れて大河の音の上
60 彼岸花真直に遠き白き道
61 単線の迷ひなき道秋の風
62 秋扇たたみて先の見えはじむ
63 髭濡れて日本海の秋の虹
64 虫の夜にゆづりて行かむ耳の風
65 天の川芭蕉良寛出逢ひをり
66 片雲の切れ間に動き小鳥来る
67 雑草の夕べに眠り草雲雀
68 道探し笑みをさがして曼珠沙華
69 引退の馬の眼の澄み桐一葉
70 反故積んで秋の深みに入りにけり
71 ふるさとは昭和なりけり月の舟
72 冬はじめ波止にぶつかる日本海
73 落葉焚煙の横を挨拶す
74 年の空大きくなりぬ父母の墓
75 初暦反りて女に買はれけり
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76 初夢や朱雀大路を歩みをり
77 小の影受けてや大よ鏡餠
78 止む水消ゆる水かな去年今年
79 古畳一枚我にしぐれけり
80 流水の荷ひし重さ散紅葉
81 光立つ海に消えたる冬の蝶
82 枯井戸やいづこの国の入口か
83 老人の動いて空気動く冬
84 鈍行に遅れはあらず枯野原
85 砂利道につまづく鳩や寒参り
86 後攻めに乱れはあらず鴨の陣
87 只走る只はしりきる冬の蟻
88 埋葬は冬日とともに閉づるなり
89 線香の消えて倒れぬ夜の寒
90 活花に枯るる時間のながれをり
91 寒の漁舳先ぶつけて日本海
92 窓開けて雨脚に聞く神の旅
93 日と月と同じ高さに寒鴉啼く
94 冬の蚊の切なる時間共有す
95 時を得し時の溝へよ枯蓮
96 枯真菰かがやく水の淡海なる
97 冬の日の膝に積りし軽さかな
98 眼力の衰へて冷たき鏡
99 寒菊や仏に集ふ命たち
100 父の恩母の恩とぞ寒月光

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