萬翠荘 ホームに戻る|俳句の殿堂TOP|~俳句の殿堂~ ぶどうの木
ぶどうの木(ブドウノキ)
結社理念
常に俳句の原点である芭蕉の「風雅の誠・不易流行」を心底に置き、時代の進取も汲み得て、新鮮な現代俳句の道を歩んでいきたいと希求しています。
主宰者
杉本 艸舟(スギモト ソウシュウ)
昭和23年奈良県生まれ。
昭和40年より句作活動開始。中村汀女・水原秋桜子・鷹羽狩行に師事。
平成7年月刊俳句文芸総合雑誌「ぶどうの木」創刊主宰となる。平成13年「狩」同人。
平成20年句碑建立
『流れ星神の指よりこぼれけり』艸舟
【受賞】
俳句文学賞(文芸出版社)奈良県知事賞・京都新聞社賞・第3回全国俳誌協会・編集特別賞 他
『冬銀河』『遠花火』刊行
上牧町文化協会講師、奈良日日新聞社俳壇選者、関西俳誌連盟選者、奈良県俳句協会理事、大阪俳人クラブ理事、社団法人俳人協会会員、社団法人日本ペンクラブ会員
連絡先
住所
〒639-0252 奈良県香芝市穴虫1855番地の2
〒639-0252 奈良県香芝市穴虫1855番地の2
FAX
0745-79-5054
0745-79-5054
主宰の100句
1 | 琴の音を転がす駅や初日の出 |
---|---|
2 | 愛犬の声も聞かせて初電話 |
3 | 糸のばし海へ出たがる武将凧 |
4 | 乗初めの童女花びらほどの紅 |
5 | 狛犬の眼は野獣めき大とんど |
6 | 発掘の土のつぶやき春兆す |
7 | 水が水押し上げてゆく雪解川 |
8 | いつまでも波の揺りかご残り鴨 |
9 | 酒蔵に風のうぶごゑ風光る |
10 | 恋の絵馬受験の絵馬と重なりぬ |
11 | 眼を洗ふ空の青さや梅落花 |
12 | わかさぎや銀のしずくをまき散らす |
13 | 焼きたてのパンふはふはと花菜風 |
14 | 親の目もふらここの子と漕ぎてをり |
15 | 遠足の声にふくらむ山の駅 |
16 | 川に来て逃げ場失ふ野焼の火 |
17 | 次々と宇宙生まれてしゃぼん玉 |
18 | 合歓の花映して沼の底知れず |
19 | 結び目を朝日にときて花菖蒲 |
20 | 水芭蕉おもひおもひの白帆あげ |
21 | 野仏の見て見ぬふりや水喧嘩 |
22 | 尾ひれまで風まんぷくの鯉幟 |
23 | 潮干狩紀州の城は股の中 |
24 | 迷路なる山とは知らず恋蛍 |
25 | 大新樹いつもどこかがざわめきて |
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26 | バラ咲けりバラの向こうに青き海 |
27 | 涼しさや掌にのるほどの離れ島 |
28 | ひろふたび妻に見せをり磯あそび |
29 | こけしの目みな一重にて涼しけり |
30 | 金銀の糸撒きちらし揚花火 |
31 | 覗く目を逆に覗きし金魚鉢 |
32 | 聞くたびに折り目重ねて登山地図 |
33 | 名水と聞けば順待つ登山口 |
34 | 熟れトマト余熱のまゝに捥ぎにけり |
35 | 太陽が割りし西瓜の罅二つ |
36 | 西瓜切る北極点と南極点 |
37 | 滝壺を出てこれよりは水争はず |
38 | われの影われが支へて炎天下 |
39 | 忘れ物あるかに駅へ夏の蝶 |
40 | 鍵束のどれも合鍵はたた神 |
41 | 放哉の墓の抜け道みちをしへ |
42 | 夕立の土匂ひくる改札口 |
43 | 起重機のへの字くの字や雲の峰 |
44 | 揚花火終りしあとに星の砂 |
45 | 鋏上げ出会いがしらの蟹と蟹 |
46 | 水替へてわれに敵意のめだかかな |
47 | 打水のぴたとはりつく石畳 |
48 | 朝顔や明日の咲く色を洩らしをり |
49 | 打ち止めと思ひなほ待つ遠花火 |
50 | 笑み浮かべ玩具の中に昼寝の子 |
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51 | 村捨てし人も混じりて盆踊り |
52 | 飛鳥路や弱火とろ火の曼珠沙華 |
53 | 合戦の河原に飛び火曼珠沙華 |
54 | 蔓引けば笑ひころげる鳥瓜 |
55 | ぶどう狩り食べ放題と言はれても |
56 | お代りを目でうながして松茸飯 |
57 | よき匂ひ松茸飯の焦げ目まで |
58 | 竹取姫もう帰るころ星月夜 |
59 | 雨戸締めふたたび開けて見る良夜 |
60 | 落城に落ち着きみせて菊の姫 |
61 | 菊人形主役悪役美男美女 |
62 | 菊人形ながし目のまま枯れにけり |
63 | 存分に月に濡れたる漁船かな |
64 | 渋柿の身の程知らぬ柿の数 |
65 | 群青の空甘くなる柿の村 |
66 | 流れ星神の指よりこぼれけり |
67 | 爽やかや先の先まで青信号 |
68 | 島一つ傾くほどの蜜柑かな |
69 | 虫のこゑ耳の後に母のこゑ |
70 | ファッションの街に蓑虫のぞきけり |
71 | 満天の星にのこのこ北キツネ |
72 | 腕白のまましばられてずわい蟹 |
73 | 太陽の子だくさんなる蜜柑山 |
74 | 紀の国の裏も表も蜜柑熟れ |
75 | 野良猫は逃げ道決めて日向ぼこ |
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76 | 鴨着水にはかに湖の笑ひだす |
77 | 引く水尾のやがて一つに夫婦鴨 |
78 | 首からめ愛のささやき白鳥湖 |
79 | 水鳥や羽づくろひして水鏡 |
80 | 無い袖は振れぬと風の枯尾花 |
81 | 客ひとり駅員ひとり枯野駅 |
82 | 海鳴りの底にあるごと枯野原 |
83 | 愛犬と共に枯野をはずみけり |
84 | 枯蔦や非常階段かけ登る |
85 | 蓮枯れて破れかぶれか逆ぎれか |
86 | 眠る山起さぬやうに遠汽笛 |
87 | 手ごたへを受けて割りたる寒卵 |
88 | 風が空磨いて去りし寒北斗 |
89 | 潮を蹴り空を蹴り上げ寒稽古 |
90 | 二上山の日のあとずさり寒牡丹 |
91 | 踏切を一緒に渡る冬銀河 |
92 | 裏声をあげて河内の冬将軍 |
93 | ひとりごと言ふ鉄瓶の冬の駅 |
94 | 居酒屋の椅子逆立ちに冬ざるる |
95 | 動かねば冬夕焼に呑まれそう |
96 | 奥の手を見せぬままなり懐手 |
97 | 冬うらら立てば集まる鯉の口 |
98 | 赤札に赤札かさね年の市 |
99 | 聞き役もまた泣き上戸年忘れ |
100 | 合鍵が合鍵たすけ年用意 |