俳句の殿堂

萬翠荘 ホームに戻る俳句の殿堂TOP~俳句の殿堂~ 蛮

(バン)

結社理念

蛮冊子

  • 蛮は、集うものそれぞれの個性、多様性を尊重する。
    自分の作りたい俳句を作り、批評しあうこと。
  • 蛮は、集う者それぞれの同時代的態度を尊重する。
    現代を詠むが、温故を忘れない知新であること。
  • 蛮は、集う者それぞれの濁りなき感性を尊重する。
    努力の裏打ちのある感性を目指すこと。
  • 蛮は、集う者それぞれの淀みなき発想を尊重する。
    努力の裏打ちのある発想を目指すこと。
  • 蛮は、集う者それぞれの楽しい空間を尊重する。
    楽しくなければ結社じゃないということ。

主宰者

蛮主宰 鹿又英一
鹿又 英一(カノマタ エイイチ)

  • 昭和25年7月20日、神奈川県横浜市生まれ。
  • 昭和60年句作を始める。
  • 平成3年安田瀋陽主宰「草の花」入会。
  • 平成23年「顔」退会平成8年現代俳句協会会員。
  • 平成9年現代俳句協会新人賞佳作入選。
  • 平成14年超結社句会「熱刀句乱舞」代表。
  • 平成15年筑紫磐井代表「豈」同人。
  • 平成19年「蛮」創刊。
  • 平成22年全国俳誌協会編集賞、編集特別賞受賞。

連絡先

住所
〒221-0814 神奈川県横浜市神奈川区旭ヶ丘5-18
FAX
045-491-5745

主宰の100句

1 母さんが死んでつんつるてんの冬
2 船繋ぐところに春の来ていたり
3 ヤクルトのおばさんの来る油照り
4 賽銭を小さく投げて夏深し
5 秋蝶の触れてスパナの光りけり
6 席つめてください山はすでに雪
7 冬の鯔とんでロシアの話かな
8 雪田の一点となり笑う人
9 父と子の隙間を飛んでゆく蛍
10 蝉の穴どうしようもなくて笑う
11 雪原に置かれて無防備な箒
12 煮凝りに仏のような眼がありぬ
13 夜桜を借りたまんまになっている
14 鳥雲に入る曳舟の音立てて
15 淡白な関係としてパセリ摘む
16 朝顔やとくと眺める人の恋
17 人妻につながっている芋の蔓
18 綿虫や握手はしないことにする
19 鶯や妻のふとんの遠いこと
20 たんぽぽやみんな他人の顔でいる
21 しまうまの前も後ろも木の芽時
22 被爆日を心電図のように泳ぐ
23 執着と思うぎんなん踏んでいる
24 一切を語らぬ掟雪明かり
25 ひとごとの死とすれ違う寒椿
TOPへ
26 かあさんの肩のあたりが木の芽かな
27 魚の腹ひらき澄みたる天の川
28 昔めんこ屋があったひぐらし
29 洗面器を抱えて歩く秋風
30 どんぐりを拾う俺自身を拾う
31 石焼きいも人あざむいた覚えなし
32 千年の古都とんとんと春の風
33 紫陽花や妻の逃げたるめがね橋
34 もろもろの神を孕みし五月闇
35 あめんぼやいいかげんが良いほとけ
36 頬骨の出っ張ってくる木下闇
37 蝉穴を言葉の穴と思いけり
38 少年の右目が泣いているひまわり
39 素麺をつるつる神を恐れざる
40 猫抱いて月の匂いのする女
41 駅前にキリスト硬い蜜柑ばかり
42 山茶花や自転車でゆく葬儀場
43 遺伝子をごしごし洗う寒の水
44 紫陽花の細部に腰の痛みかな
45 十五夜の鼻先にある薬壜
46 黄落のカフェテラスにて必死
47 山茶花を掃いて殺意の生まれたる
48 聖樹点灯あとの予定はなにもなし
49 十二月八日回転寿司の前
50 火を焚けば心の隅に鬼がいる
TOPへ
51 仏前の猫の恋やら酢豚やら
52 謝らぬ女たっぷり八重桜
53 梅雨晴のうどんつるつる湾岸線
54 苗売りの声アンデスは遠すぎる
55 虹冷えてコントラバスの音がする
56 糸蜻蛉むかしむかしの川の音
57 ひぐらしが鳴き出す魂の縫い目
58 火葬場の煙突あたりから晩夏
59 そぞろ寒思想もビニール傘もない
60 海に出てレタス頬張る十二月
61 ごりごりと髭剃っている遠い火事
62 母さんがペダルこぐたび水温む
63 春眠のうしろ水嵩が増える
64 花曇りダンスフロアの円周率
65 姉さんの鎖骨花火がドンと鳴る
66 ががんぼと息を交わせし夜の椅子
67 看板に即金とある晩夏光
68 八月のJAZZ肋骨を潜りけり
69 台風の近づいている井戸の底
70 寒稽古了え一介の勤め人
71 足袋ぬいで背骨一本軋ませる
72 台風が真っ直ぐにくる動物園
73 黄落のまんなか海の音がする
74 不発弾みたいな人と春の宵
75 押さないでください虹が生まれます
TOPへ
76 タウン誌のとおり歩いて凌霄花
77 とび職が十一月を曲げている
78 花人がなんだかんだと穴を掘る
79 頂にチアガールいて山滴る
80 心臓が笑いすぎたる夏の川
81 ががんぼも詩人も骨を軋ませる
82 長崎の消印のある秋の風
83 人の死を風呂屋で聞きし十三夜
84 大根の切り口にあるふしあわせ
85 豆もやしばっかり食べて春が来る
86 抱擁の気化してゆけり白木蓮
87 悟られぬほどの涙をパセリ摘む
88 日時計に影できている月夜かな
89 刑務所の塀の外れの天の川
90 あぶな絵に描き足してゐる虫のこゑ
91 致死量の日の丸掲げ寒に入る
92 鳥帰る頃に必ずチンドン屋
93 新聞につぶやいている木の芽時
94 水羊羹痛いところをつつかれる
95 白靴のふんぞりかえる市営バス
96 病む人の運ばれてゆく木守柿
97 立冬の大樹の声を聴きにけり
98 逝く秋をひとつくらいは艶話
99 大阪の花街抜けて神迎
100 冬木の芽しづくを月に返しけり

俳句の殿堂INDEXへ戻る

このページの先頭へ