萬翠荘 ホームに戻る|俳句の殿堂TOP|~俳句の殿堂~ 梅林
梅林(バイリン)
結社理念
芭蕉の俳人たる志と子規の俳句革新の精神を尊び、観照の真の瞳で社会、すべての事物と人間の尊厳を見守る。
自然を慈しみ有季定型に則り、詩的純度の濃い自分の俳句を作り、明るく前向きに楽しむ句会の場をひらく。
正岡子規、富安風生の伝統を受け継ぎ、篠崎圭介の志を小林草山がその詩心を継承し、梅林会員一同のそれぞれの個性を大切によりよい表現を目指していく。
主宰者
小林 草山(コバヤシ ソウザン)
昭和8年松山市生まれ。
松山東高校卒業、愛媛県庁勤務、病の為退職、井出護謨(株)入社、後東京支店長。町田市議会議員24年6期勤める。17才で篠崎圭介と俳句を始める。糸瓜主宰となった圭介が平成16年逝去、東京で小林草山が梅林を創刊、主宰となる。
【句集】
『白梅』『天命』
連絡先
住所
〒194-0036 東京都町田市木曽東四丁目7-734
〒194-0036 東京都町田市木曽東四丁目7-734
FAX
042-723-8215
042-723-8215
主宰の100句
1 | 白梅の一輪はさむ多喜二の書(昭和58年) |
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2 | 大蟻も小蟻も雨の幹を這う |
3 | 非核署名春先の風鳴っていし |
4 | 凍滝の一徹の白垂れにけり |
5 | 正義貫(つらぬ)かむ秋蝿のつきまとう |
6 | 義民の碑せいたかあわだち草群れて |
7 | 被爆の地なり初蝉のこえならむ(平成元年) |
8 | 梅一輪ひらき机上に多喜二の書 |
9 | 反戦歌遠き山々雪冠り |
10 | 子を産みに山の小蟹の列なして |
11 | 散る前の花のこゑ聞きたくている |
12 | 殉教の地なり残花に手を添えぬ |
13 | 未来とは白梅の白輝けり |
14 | 正直に生きさくら草育ている |
15 | 立ち上がる濤のうしろの冬の濤 |
16 | 被爆船冬の雨降る中にかな(福竜丸) |
17 | 冬に入る風や去来の小さき墓 |
18 | 咲くさくら散り行くさくら音もなし |
19 | 岩燕まっさをなそら斬りにけり |
20 | 無言で対す無言の雪八ヶ岳 |
21 | 被爆の伝言かすれてをりぬ冬にいる |
22 | 白露や野麦峠を黙し越す (句集:天命より) |
23 | 聖水のほのかなぬくみ十二月 |
24 | 春の鳩扇のごとく舞降りぬ |
25 | 一樹一樹手をふれて花いとほしむ |
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26 | 天のこゑ地のこゑ梅が香を放つ |
27 | 金蘭に銀蘭森の夜明けかな |
28 | 一針ごと難民の子の秋刺繍 |
29 | 万緑裡白一徹の水落つる |
30 | 桜古る無念のいろに枝垂れては |
31 | 握る手の生命つたはるかんの夜 |
32 | 梅林の空拓けゆく朝かな |
33 | ひらひらと扇ひろげて春の鳩 |
34 | 梅凛と一筋の道どこまでも |
35 | 昏き世に一つ点りし山桜 |
36 | 鐘撞きて一揆の地なり飛花落花 |
37 | 棚田から棚田へ春の水の音 |
38 | 天に燭掲げ古木の桐の花 |
39 | ははその梢揺らしゐる秋の風 |
40 | 八月や玉音いまも耳にあり |
41 | 流れゆく水に逆らふ夏藻かな |
42 | 水澄みていつしか心やはらぎぬ |
43 | 一筋の白漲(みなぎ)ゐる竹の春 |
44 | 地震(ない)の地を思ひぬ雑木紅葉して |
45 | 怨念や渡良瀬川の紅葉雨 |
46 | 反戦歌譜じてをり冬の朝 |
47 | 反戦の想いつのりぬ梅の花 |
48 | わがゆけば道つづきけり風花す |
49 | 楠を背に師の墓にさす春日かな |
50 | 九条守れ夏真実の眼もて |
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51 | 草茂る崩れし千の流人墓 |
52 | 流人てふ北端の島黄萱咲く |
53 | 弁護士の墓や鳴きつぐ時鳥 |
54 | 真実を貫く気骨終戦日 |
55 | 終戦日語部となる七十歳 |
56 | 秋光や闘鶏の眼の逆立てて |
57 | ふるさとや真正面に春の雪 |
58 | 伊予の春雪真っ直ぐに子規の墓 |
59 | 石鎚の峯の春雪師の墓石 |
60 | ふるさとの師の墓囲む豆の花 |
61 | 亡き友と歩きし野山冬ざるる |
62 | 遺句集をひらきし机上冬薔薇 |
63 | 黙々と盲導犬ゆく花大根 |
64 | 初燕新興の町かすめ翔ぶ |
65 | 神樹光風の音にも磨かれぬ |
66 | 一言の重き牡丹崩るるや |
67 | いまも和を尊しと啼く杜鵑(ほととぎす) |
68 | 純白の薔薇の愁ひや世の濁し |
69 | 真っ直ぐに若竹伸びる真っ直ぐ |
70 | 原爆忌少年少女澄みし声 |
71 | 微笑みて少女の死なり炎天下 |
72 | 大年や村呑みダム湖寂として |
73 | 紅葉や一生一瞬今を生く |
74 | 一月や初一念を貫(つらぬ)きぬ |
75 | いくさなすな言(こと)の葉(は)木の葉降るやうに |
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76 | 山茶花の散り敷く密(ひそ)と特攻碑 |
77 | 考へる人の彫像冬日射す |
78 | 一日を大切に生く梅白し |
79 | 花影にひとりの影の重なりぬ |
80 | 花に佇ち戦火想ひぬ吾が齢 |
81 | 花影のしづかに昏るる茶筅塚(ちゃせんづか) |
82 | 血の彩をしたたらすごと瀧桜 |
83 | 一幹の白くっきりと今年竹 |
84 | 遺文よみ八月の夜の明け初める |
85 | 母へ寄す学徒の遺文ほととぎす |
86 | 切切と学徒の遺文終戦忌 |
87 | 生き抜けて一筋の道炎天下 |
88 | 清濁を映し千年秋の水 |
89 | 永久に九条守る初御空 |
90 | 成せぬ事為しぬ明けゆく去年今年 |
91 | 見慣れたる山も尊き大旦 |
92 | いくさなすな魂叫ぶ雪の無言館 |
93 | 深雪中山宣(やません)の碑に佇みぬ |
94 | 花の下火怨地獄を想ひゐる |
95 | 草草の香の満つ夏や多喜二の書 |
96 | 広島忌凛と少女の声ひびき |
97 | 学徒出陣放映の東大秋 |
98 | 追憶や昭和は遠き一葉落つ |
99 | 被爆せし柿の木二世冬芽つけ |
100 | 冬天へ竹真っ直ぐにまっすぐに |