愚陀佛庵 インターネット俳句会

結果発表(平成28年12月開催分)

特選受賞句には選者の八木健デザインの「ハイクアート」が添えられます。
ハイクアートは画像をクリックして拡大先から印刷・ダウンロードください。


平成28年12月の結果

特選(10句+俳句アート)  秀逸(10句)  入選(30句)

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【特選】放火魔の燐寸吹き消す雪女(汝火原マリ)八木健からのコメント:放火魔を見つけて雪女が燐寸を吹き消したとすると消防庁から表彰されてしまう「良い子」で面白くない。実は雪女が放火魔だったとしたら納得行きますね。奇想天外にリアリティーの存在

【特選】真っ青な海裏返しては冬怒涛(山畑洋二)八木健からのコメント:俳句には正直が必要だが「そのまんま」では面白くない。「ヒネリ」が必要なのである。素材からなにを発見するかに始まる。青い海が白くなるのが怒涛である。それを「裏返し」としたところが「ヒネリ」だ。

【特選】伊勢海老やギックリ腰の再発す(田中庵野)八木健からのコメント:俳句は自身の体験を描くことで自身の人生の記録ともなる。なにかを見て脳裏に浮かんだことを書いておこう。イセエビを見て「腰が痛い」のではと感じたとき。自身のぎっくり腰が再発した。幾分の誇張かも。

【特選】雪しまきいよよ激しき撥さばき(北野すみれ)八木健からのコメント:津軽三味線の叩き演奏が激しい雪の夜に聞けたら最高ですね。太棹が雪しまきに対抗して脳天を突き抜ける。太鼓の撥かもしれぬ。太鼓でも同様に撥が生き生きと踊る。俳句つくるときはイメージを拡幅する。

【特選】着膨れて屋台の椅子をはみ出しぬ(垣内孝雄)八木健からのコメント:俳句は本来、滑稽なものである。まず滑稽な風景を見つけよう。俳句は自身のことでよろしい。「熱燗」の旨さは椅子をはみ出そうが出すまいが、いやはみ出して窮屈な姿勢で呑むのがよろしいのだということ。

【特選】マラソンの足音響く冬の土手(松尾千波矢)八木健からのコメント:俳句にはいろいろ書かないこと。しいて言えば一点である。マラソンが高校生だとか風が冷たいとかもろもろのことは不要な情報なのですべてカットすればこのような句になる。焦点をしぼるんですよ。

【特選】股座におく練炭や町工場(伊奈川富真乃)八木健からのコメント:練炭は安価な熱源として手頃だから需要も多かった。ただし部屋を閉め切ると一酸化炭素がヤバイ。町工場などで今も使われているのだろう。股座はまたぐらと詠む。俳句の俗表現にぴたりである。

【特選】だしぬけに初富士見ゆる峠かな(永井和子)八木健からのコメント:おそらくは三つ峠からの風景でしょう。手にとるように見えて首都圏から近い。八木健は18歳まで静岡で過ごしたから富士には詳しいんですよ。何百枚もの富士をフリーハンドで描くことができますよ。

【特選】枯蟷螂ゆるりと朝の露天風呂(葦たかし)八木健からのコメント:俳句の楽しさは作者の意図とは別な解釈をするところにある。おそらくは「取り合わせ」で作句されたのであろうが人間が枯蟷螂になっているとしたほうが面白い。実は人間も蟷螂も大差はないのですがね。

【特選】口開けて五臓六腑の日向ぼこ(平光 俊明)八木健からのコメント:日光消毒という奴ですな。太陽は生命の誕生を司る神みたいな存在だから太陽神信仰は人類共通のものだと思いますね。口を開けたからと言って五臓六腑までは届かないが届くと考える非科学的なところが俳人。

秀逸

黄金をまき散らかすや落葉道野中 たかし
胃腸炎の妻に雑炊とろとろり吉野ふく
秋深しとろとろとろ火のマーマレード田中亜希子
行灯に秘め事隠し寒の紅松田 文女
冬ざれへわれも一樹となり紛る照幸
地動説ゆらいで動く日向ぼこ伊藤和幸
爺様の放屁に猫は炬燵出づ辻 雅宏
鰭酒の青き焔や燐寸の火平田 守弘
奪衣婆のつぐまりてをりすきま風篠﨑順子
軽トラの荷台恐ろしなまはげ来森鼻 恵実子

入選

キラキラとイチョウ並木植木算カオリン
言の葉に勝る沈黙山眠る松永房子
さしあたり三つ指ついて姉羽鶴さとう菓子
銀河系ほどの星粒 砂糖壺よし生
坊っちゃんが汽笛鳴らして漱石忌森岡滋夫
したためて塩引鮭御礼日本海大久保俊克
相談と言われ立ち寄るおでん酒奥村僚一
冬温し乾布摩擦の拍子抜け万屋あたる
凍て雲や痩せ猫覗く面格子緞子
エメラルド色の海にも匂う冬雛まつり
出迎えの海鳥螺旋冬港春桜
冬茜染めて影絵の比良の里野の百合
参道の長き古刹や石蕗の花まこ
女子会を骨正月と呼ぶ歴女佐東亜阿介
枯野宿君とふたりの夜の更けて蓼科川奈
生き物のごとく枯葉の坂のぼる入江 澄泉
寒凪やグレコを好むホームレス志保川有
極月の鏡裏返しの時計露玉
荒海や武蔵が討ちし大鯨龍野ひろし
テラス席手話にぎやかな膝毛布石塚 佳代子
毛糸買うがんじがらめにしてしまう城内幸江
冬空や翼竜のごと鳶舞ふ雪子
ことことと豆煮る妻の息白し藤本禮造
ちんたらちんたら七十路の年明くる椋本望生
諍ひのあとの虚しさ雪の声三泊みなと
きうと鳴く草河豚かへす岩礁に高尾 彩
淑気満つ竜の口から水掬ふ小鞠
もくりんと猫が顔出す炬燵かな小林桂子
失せしもの探すがごとき師走かな香壺
チャップリンの涙を隠す冬帽子李子
水仙や顔小さめの九等身晴好 雨独
雪女ひらりとびのるカシオペア児玉リツ子
狐火を探すか町の消防士田村利平
ATM行列切れぬ大晦日山田裕司
呼気のよに嘘吐く男パッチ穿くかをり
飯櫃入れへそくり隠す母見たり田上理絵
尻拭いいつも私だ嫁が君まどん
一人目覚め部屋には冬のあるばかり太田紀子
冬林檎イエスキリストまだ居るか石川順一
百八の懺悔名残の空に風亀田荒太
鷹狩に借りだされたる土百姓渡邉春生
おでん屋の のれんくぐって あの席に服部かがり


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